- なぜ歯が悪くなるのか?
- どうしたら虫歯にならないのか?
- 歯周病で歯を失わないようにするにはどうしたらいいのか?
最初にこんなお話をしたいと思います。少し長いお話になりますが、どうぞ最後までお付き合いください。
きっと役にたちますよ。
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痛い 笑えない 咬めない
もちろん最初からひどい状態にはなりませんね。
- 「何かおかしい」
- 「うずく」
- 「痛い」
- 「眠れない」
小さな異常を放置している間に病気はゆっくりと進行します。
虫歯と歯周病は、自然治癒をしない立派な『病気』なのです。
しゃべることがはずかしい。笑えない。
こうなってしまうと、絶望のあまり自分で
自分をせめはじめます。
もう咬めません。
もはや生きることが
苦痛です。
なぜ? こんなことに?
原因を見つけましょう
このまま治療を始めていいのでしょうか?
いえ。それはダメです。治療に先立ち、まず考えなければならないことがあります。
全ての結果には原因があります。
全ての病気にも原因があります。
なぜ歯は悪くなるのでしょう?それはプラークと呼ばれる細菌の塊が原因なのです。
もしそうであればあきらめるしかありませんが、虫歯や歯周病は決して遺伝病では ありませんし、老化現象でもありません。
虫歯と歯周病は、細菌によって起こる感染症なのです。治療の第一歩は、この原因をあなたに知っていただき、感染源をしっかりコントロールしていただくことなのです。
そんなにうなだれていないで、少しお話を聞いてください。天然痘だって撲滅されたんですから、あなたにもきっとできますよ。
8020運動

8020運動を知っていますか?
80歳で20本の歯を残そうという運動です。しかし日本では8007に過ぎません。80歳になるとほとんどの日本人は総義歯を入れているのが現実です。
この歯の写真は、院長の80歳の母親の口の中です。3本の歯を失っていますが、親知らずもありますので29本の歯が残っています。それもしっかりした状態で。

孫達と食事に行って、このようにアワビの刺身でも全く問題なく食べることができます。
きちんとした治療とメインテナンスを行えば決して不可能なことではないのです。
プラークを知ってますか?
プラークについてのお話を始める前に必ずこのようなご質問をします。
- Q「なぜ虫歯になると思いますか?」
- A「歯ブラシをちゃんとしていないから。」
- Q「ではあなたは、歯ブラシで何を取ろうとしていますか?」
- A「何を? 食べかす?」
- Q「食べかすが残っているとそれが虫歯をつくると思いますか?」
- A「・・・うーん。ハイ。」
皆さんこんな感じではありませんか?
食べかすが虫歯をつくるというのは間違った知識です。治療に先立って当院が一番重要視していることは2点です。
- なぜ虫歯になるのか?
- なぜ歯周病が進行するのか?
病気の原因をしっかり知っていただき、その原因をご自分で除去できるようにしていただくことです。そうしないと、いくら良い治療をしても、病気の原因がなくなっていなければ必ず病気は再発します。 治療した歯がまた虫歯になるのです。虫歯が病気であるという認識はあまりされていません。「しかたがないもの」とあきらめられているようなところもあります。
ではまず、歯とはどのようなものか見てみましょう。歯は石のようなものではありません。右のイラストのように、内部には神経と血管があり、骨と似たような複雑な構造を持つ生きている組織です。
ということは、虫歯で歯に穴が開くということは、骨に穴が開くのと同じことです。 病院に行ってレントゲンを撮ったら手の骨にあちこち穴が開いていた.....
こうなったらすぐに入院、手術ではありませんか? 虫歯はこのように大変なことなのです。
では虫歯や歯周病の原因は何なのでしょう? -----それはプラークと呼ばれる細菌の固まりです。

プラークは細菌の塊ですので、本来は無色透明で肉眼では見えません。
プラークの上に色素や食べかすなどがくっついて、目に見えるようになったものを「歯垢」とよびます。
このような歯垢になる前の段階でプラークをきれいにとらなければなりません。

プラークができるまで
口の中は大変不潔です。舌、粘膜、唾液、歯と歯ぐきの間の溝の中、扁桃腺などあらゆるところに約300種、数千億個の細菌が住んでいます。これらの菌は、どんなことをしてもゼロにすることは決してできません。

そして、歯はお口の中にありますから、その表面はいつも唾液で濡れています。乾くことはほとんどありません。また、唾液は水のようにサラサラしたものではなく、ネバネバしたものです。
この唾液を接着剤にして、口のなかに住んでいる細菌が歯の表面にくっつきます。


次にこの菌たちは、糖分をエネルギー源にして数を増やしていきます。
エネルギー源になるのは糖分だけです。糖分を含んでいないお肉や野菜が歯の間にはさまっていても、この食べかすが直接虫歯の原因となることはありません。ここで、糖分といってもケーキやチョコレートだけではありません。
ガム、アメなどは長時間口のなかにあります。言い換えれば歯を砂糖水につけているようなものです。
つまり、虫歯ができるの為には、宿主(生き物)、砂糖、細菌の3つが必要になります。このうちのどれか一つが欠けていれば虫歯はできないのです。
左の図のようにこの3つの円が重なったところが虫歯になります。
これを実験室で確かめることができます。[無菌ラットによる実験]
体の中に(口の中に)全く細菌のいないラットを実験室で作ることができます。これを無菌ラットといいます。
つまり細菌と砂糖が虫歯の形成には不可欠であり、この連鎖を断ち切ることによって虫歯を防ぐことができるのです。
また、細菌はこの糖分を原料にして粘液を作り出し、自分の上にカバーをかけてしまします。この粘液は非常にベタベタとしてくっつきやすく、また、内に何も通さないほど強力なバリアーです。
このカバーをバイオフィルムといいます。
ですから、水でうがいを激しくしても取れませんし、市販のいろいろな消毒薬(「歯周病菌が殺菌できる」というようなうがい薬)も中に入っていくことは非常に難しいのです。
ここで台所の三角コーナーや排水孔のゴミ受けをイメージしてみてください。
網目にご飯粒や野菜の切れ端が詰まっています。それとは別にキチンと掃除をせずに使っていると、表面がヌメヌメしてきませんか?ご飯粒が食べかすで、このヌメヌメがプラークなのです。
三角コーナーを水道の水の下に持って行けば、ご飯粒は流れて行きますが、ヌメリは水だけでは取れないはずです。では、洗剤をかけてみましょう。
それだけで、ヌメリは溶けるでしょうか? -----溶けません。
ヌメリを溶かすことのできる強力な洗剤もありますが、そのようなきつい薬はお口の中にはつかえません。このヌメリをとる、簡単で確実な方法があります。
それは、何でしょう?
それはブラシかタワシでこすることです。ですからこのプラークも、うがいではとれません。薬では溶けません。
ブラシなどで機械的にこの固まりを壊すことによってのみこのプラークを無害なものにできるのです。

この粘液のカバーの表面はベタベタしていますから、またその上に細菌がくっついてどんどんと細菌の層が厚くなっていきます。きれいな歯の表面からこうなるのに24時間かかります。24時間たつと細菌が乳酸を出し始めます。この酸で歯に穴が開くことが虫歯です。
24時間たつと細菌が毒素を出し始めます。この毒素で歯ぐきが腫れたり、歯を支えている骨が溶かされていくことが歯周病です。
プラークを作る材料になるのは、「糖分」だけです。
ですので、プラークコントロールをする前に、甘いものを食べすぎていないかどうか? を考えてみることも大事です。ダイエットと同じことですね。
お腹一杯食べて運動でやせるのは大変ですが、少し食べる量を減らし、そして適度な運動をするのが理想的なのと同じことなのです。
また、規則正しい食生活を心がけ、だらだら間食を取らないようにしましょう。
お口の中に食べ物、飲み物が入ると、お口のなかは中性から酸性になります。お口の中が酸性になると歯は酸にさらされてどんどん溶け出します。酸性は時間とともに中性に戻りますが、飲食回数が多いと口の中が中性に戻らず、虫歯になりやすくなります。




