いくら技術があってもそれを使うことができなければ、それは無意味です。そして歯科治療はメンタルの部分が半分を占めるといっても過言ではありません。
今回は、ある一通のメールから始まった患者さんの話です。
□□と申します。
突然ですが、私は子供の頃から極度の歯医者恐怖症です。歯医者さんの前を通ることすら恐ろしくて、虫歯を7年も放ったらかしにしてしまいました。ほとんどの歯が虫歯になっていると思います。(怖いなら歯医者にいかなくてすむように、歯ブラシをしっかりすれば良いというのが最もですが...)
常に歯にコンプレックスをもっており、今では私なんか歯医者さんに行っても怒られて笑われるだけで、行く資格なんかないのでは、と追いこまれてしまいました。でも本当は、私もみんなの様に人前で笑いたいです。
人生損してるなとも思います。(私は24才、女です)でもなかなか勇気がでませんでした。でも去年あることがきっかけで、歯医者に行こう!と決心し、インターネットで偶然こちらのホームページを拝見させていただき、信頼できる診察方針をもってらっしゃる歯医者さんだなと思い、お問い合わせしました。
でもこのメールを送るのも勇気が出ず、半年もかかってしまいました...。長くなりましたが、ぜひ丸岡先生に治療していただきたいと思っております。ご理解いただき、治療していただけますでしょうか。ご理解いただけないなら、お断りしていただいて結構です。来院してから断られると、もう二度と歯医者さんに行く勇気が出ないと思うので。お返事お待ちしております。
そこで、私は
- 「予約時間を守ってもらうこと」
- 「プラークコントロールをしっかりしてもらうこと。」
この2つのことができるのであれば決して治療を断ることはないことを伝え、また、2,3の質問をしました。
その後2通目、3通目のメールのやりとりのあと(内容はこのページの末尾を参照)、この患者さんは来院されました。
そしてこの日にお越しになりました。どんな方かと思っていたのですが、非常に可愛らしい女性でした。そしてお口を拝見すると・・・
確かに笑えなかったと思います。そこで色々お話をお伺いしてみました。「やはりとにかく自分の歯に大変なコンプレックスを持っています。
これが最後のチャンスと思っているので、もし今回がダメだったらどうしようと恐怖感さえ感じます。 そして、一番よい治療法で治療を受けたいのだけれど、まだ若いし、そんなにたくさんの金額は用意ができないので、それも不安に思っています。」とのことでした。
私は「よく分かりました」とお答えし、とりあえずシミュレーションにとりかかりました。
下の前歯はそんなに悪い状態ではなかったのですが、切端がきれいにそろっておらず、アーチ型になっています。この形では上の前歯を正確に作ることが難しくなります。
やはり、下の前歯も治療をして形を整えたほうがよいという結果がでました。この結果をお話したところ、少し涙ぐまれました。
「覚悟はしていたのですけどやはり治療が必要な本数が多すぎてショックでした。」
そして何度かお話をして、少し上の歯の形を犠牲にするかもしれないけども、それでもよければ下の前歯は被せたりせずに治療をすることになりました。
もちろんプラークの説明、プラークコントロールの練習から治療は始まります。そして、治療が必要な歯を仮のプラスチックの歯で置き換えていきます。
このころになるとかなり治療にもなれて、2時間以上の治療時間でも難なくご辛抱いただけるようになりました。

「感想は?辛かった?」
「そうでもなかったです。」
「こんなんやったら、もっと早く治療しておけばよかったと思ったぐらい?」
「いえ。そんな簡単なものではありません。」
「自分で自分をほめてあげたい?」
「はい。もうこの際、親知らずも抜いておこうと思います(ここまで変わられたのです!)。」
このような方は決して珍しいわけではありません。私たちはこのような場合、どのように接してあげればよいかのノウハウはたくさん持っています。しかし、ご自分で乗り越えていただかなければならない部分が必ずあります。まず、悩んでばかりいないで私たちにコンタクトをとっていただくこと・・・それが第一歩なのです。
![[2通目のメール]](img/kon/email_second.gif)
□□と申します。
歯医者さんとメールのやり取りをしてるなんて、ちょっと前の自分からは想像できません! 丁寧に質問にお答えいただきありがとうございます。
- 診察時間は守ります。出勤前に治療に伺おうと思います。
- 将来のためにも、ぜひちゃんとした歯ブラシの仕方を教わりたいです。
先生の質問にお答えします。
- 歯医者さんが怖いのは、幼い時に通った歯医者のせいだと思います。あの歯を削る高音の機械が怖くて治療を嫌がった私を、先生と看護婦さんとで押さえ込まれて、診察台の上で一度気を失ってしまいました。
高校の時に前歯が虫歯になったときに、何年かぶりに行った歯医者では、女の子なのにみっともない、などと怒られ馬鹿にされ、昔の治療後にもなぜか文句をつけられました。- きっかけは、歯医者に行って治療をして虫歯のない自分というものが、ある時突然想像できたからです。もし虫歯じゃなかったら、もっと自分に自信が持てて、仕事も恋愛も今より前進出来るんだと、やっと気付けました(それまでは、自分が歯医者に行くなんて全く考えられなかったので、一生この悩みを背負って生きて行くのだと思い込んでいたのです)。
それからは、少しずつ歯医者さんに慣れようと、インターネットをみたりして、自分なりにリハビリをしていました。そして踏み切れたのは、丸岡歯科のHPを拝見したからです。どこの歯医者のHPよりも、親切な構成でわかりやすかったし、ここだ!と思いました。- 現在の状態は.....とてもみっともないですが、奥歯は脆くなってかけてしまい、半分くらいしか残っていないかもしれません。もう随分前から痛みはありません...。
前歯も歯茎との境目から虫歯になっています。ひどい歯は全体が変色しています。ご飯は普通に食べています。でもやはり、固いものは苦手です。発音障害はありません。長くなりましたが、勇気を出して早いうちに診察に伺おうと思います。その時は宜しくお願い致します。
![[3通目のメール]](img/kon/email_third.gif)
2ヶ月程前にメールさせていただいて、歯医者さん恐怖症のお話を聴いてもらった、□□です。
先生は覚えてらっしゃいますでしょうか。随分期間があいてしまいましたが、今週の木曜日の朝一の診察予約を取らさせていただきました。
今からドキドキですが、どうか宜しくお願い致します。
