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顎関節症とは?

一種の現代病といってもいいかもわかりません。異常な咬み合せが、顎の関節(耳の2cmほど前)に障害を起こします。

  • 口を大きく開けると「コリッ」という音がする
  • 耳の辺りがなんとなく思い感じがする
  • 口を大きく開けると関節が痛い
  • グッと噛みしめると関節が痛い
  • 口を大きく開けられない
  • 朝起きると口が開かなくなっていたことがある
  • 顎がよくはずれそうになる
  • 関節が突っ張ったかんじで、口の開閉がスムーズにいかない
  • 左右の関節の動きがずれている

色々な症状がありますが、軽い症状でも放置しておくと、ある朝起きたら突然、口が1cmほどしか開かなくなっていたというようなこともよくあります。

関節円盤

関節円盤

下顎の上端(関節頭といいます)と上顎の骨のくぼみの間には、関節円盤という軟骨があります。この関節円盤はいろいろな方向に、種々の筋肉で固定されていますが、関節の動きとともに下顎頭に連動して移動します。咬み合せの異常や外傷などにより障害が起こると、関節円盤を固定している筋肉に緊張が起こり、関節円盤が関節頭の動きとうまく連動できなくなります。そして、関節円盤がいわゆる「つっかえる」状態となり、痛みや口が開きにくいという症状がでるのです。
関節頭と関節円盤頭蓋骨の側面図1頭蓋骨の側面図2

何が正常か?

異常を考える前に、正常な咬み合せとはどういうものか?を考えてみます。下に示した3つの原則を満たしていることが正常な咬み合せといえます。

正常な咬み合せの三原則

モデルシミュレーション

モデルシミュレーション

この3つの原則、特に原則2.3からはずれた異常な咬み合せがあると、そしてそれが顎関節に近ければ近いほど顎関節症の症状が出やすいのです。

正常モデル
関節円盤
関節円盤の運動
1. この△の部分が関節円盤です。
2. カチカチ咬むという最初の顎の運動は○を中心とした円運動です。
3. それ以上大きく口を開ける場合は、顎は関節円盤とともに下に移動していきます。
異常モデル
奥歯の咬み合わせが異常
関節円盤の炎症
不安定な関節円盤
1. 奥歯の咬み合せが異常です。
2. 無理に咬むと、△の部分に隙間が出来ているのがわかります。この状態が続くと関節円盤と円盤を固定している筋肉に炎症と緊張が起こります。
3. 口を大きく開けるときには、筋肉の緊張により顎関節と関節円盤の連動がうまくいきません。
4. モデル上ではこのような表現になりますが、実際にはこの不安定な状態により、関節円盤は圧縮されます。
5. そのため関節円盤が変異したり、変形がおこり、「コリッ」と音がしたり、口が開きにくくなります。
バイトプレート
バイトプレート
顎関節症の治療の第一歩。バイトプレートを装着しました。関節の骨、円盤に正常な咬み合せのような調和がもどります。

関節円盤


顎関節症の治療

上記のようにバイトプレートの装着が顎関節症の治療の第一歩ですが、これで治療が終わるわけではありません。以下のようにきちんとステップを踏んでの治療が重要です。

  1. 正確な検査により、異常な咬み合せがあるかどうかを確認する。異常な咬み合せがなければ、歯科医院で治療できる顎関節症ではありません。
  2. バイトプレートを装着して、症状が良くなるかどうかを確認する。バイトプレートを装着する目的は、
    • 緊張状態にある顎関節症をリラックスさせる。
    • 一時的に正常な咬み合せにして、症状がなくなれば、異常な咬み合せにより顎関節症が起こっていることが確認できる。(歯科医院により治療ができるということ)
    • バイトプレートはずっと使い続けるものではありません。
  3. 正常な咬み合せをつくる。これが最終ゴールです。

治療手順

治療の手順

下顎の動きは、前後、左右方向どちらの場合も、前歯の接触関係で決定づけられます。ですので、この接触関係(ガイド)が正常かどうかを判定し、正常でなければ正しいガイドを作り上げなければなりません。このガイドが異常な状態でいくら奥歯の咬み合せを正しくしようとしても、無理が生じます。


顎を動かした時のガイド


初診時、ずっと頬を押さえて、

「とにかく顎がだるいんです」
「20年ぐらいまえからそうなんです」
「歯の治療をしていても、顎が痛くなって開けていられなくなるんです。
だから、治療が怖くなってしまいました。」

とおっしゃっていました。


  1. 前歯のガイドに異常前歯の咬み合せが正常ではありません。下顎を動かしたときの前歯のガイドに異常があります(写真右)。
  2. 当たってはいけない歯が接触下顎を前に動かすと、当たってはいけない歯が接触しています(写真右)。もちろんこの場所だけでなく、ほかにもありました。顎関節症(院長室ブログ) »
  3. 模型を作って確認模型を作って確認します。お口の中と同じ異常な前歯のガイドがはっきりわかります
  4. 顎関節症をおこす原因が判明奥歯の異常な接触状態もお口の中と同じです。下顎を前に動かすと異常な当たり方をするところがあります(写真右)。これで、顎関節症を起こす原因があることがはっきりしました。
  5. 治療のシミュレーション治療のシミュレーションをおこないます。前歯のガイドを正しく作ります。そうすると、下顎を前に動かしても均一に接触しながらガイドをします。治療プラン(院長室ブログ) »
  6. 異常に接触するところはなくなるきちんとした前歯のガイドができた状態で、奥歯の形を異常な接触をしないように形を作ると、スムーズな下顎の動きになります。異常に接触するところはなくなります。

これで、顎関節症を起こす可能性が異常な咬み合せが確認できました。また、治療ができることもわかりました。この結果をお話し、まずバイトプレートの制作にはいります。



このバイトプレートを装着して症状がどう変わるかを観察します。バイトプレートは魔法の治療器具ではありませんので、すぐに劇的な効果が現れるわけではありません。徐々に口が開けられるようになり、1ヶ月も経てば「顎のだるさ」もなくなります。そして、明るい未来が開けてきます。

もちろんこの段階で症状に変化がなければ、歯科での治療は不可能です。まだ、当院ではそのような患者様はいらっしゃいませんが.....


  1. 下の前歯から治療実際の治療は下の前歯から始まります。この前歯の先端が基準点となるからです。プランニング用モデルをもとにし、仮のプラスチックの歯を用意してから、クラウンをはずしたり、歯を削ったりして被せる準備をします。
  2. 外形のフィットの状態外形のフィットの状態(写真左)。正しくプランニングされていれば、このようにぴったりと合います。この中にプラスチックを流し込んで、きちんと合わせていきます。下の仮の歯が完成したら、同じように上の前歯の処理に入ります。
  3. 上下の前歯の仮の歯が完成上下の前歯の仮の歯が完成しました(写真左)。下顎を前に動かしたときに、良好な接触関係が保たれています(写真右)。
  4. 下の奥歯が仮の歯もう、下の奥歯は仮の歯になっています。虫歯で治療が必要な歯も一緒に削り、仮のプラスチックのクラウンを合わせていきます。
  5. 前歯の正しい接触関係前歯の正しい接触関係の下で、仮の歯を合わせます(写真左)。下顎を前に動かしても異常な接触は起こりません(写真右)。このように、『下の前歯→上の前歯→下の奥歯→上の奥歯』という順番で治療を進めていきます。

もうここまで来ると、見た目もきれいになり、もちろん顎の不快感は全くなくなり、自信にあふれた笑顔を見せていただけるようになります。もう治療は終わったといってもいいかもしれません。あとは仮の歯を最終のクラウンに置き換えていくだけです。



この方の感想です。

「さっきここに来る前に、姉と話していたのですが、毎年4月になると、花粉症と顎がだるいので憂鬱でした。今年も花粉症はあるのですが、顎のだるさは全く無くなりました。私はインプラントもしなくてよかったですし、姉のようなきれいな歯にもなりました。治療をして本当によかったと思います。」

お姉さんの治療は、治療の流れで紹介しています。また、こんなときどうする?でも「顎関節症は治らない?」を紹介しています。


咬合調整

咬合調整

顎関節症の全ての治療がこのような大がかりになるわけではありません。治療の原則にもとづいて行われるならば、異常な接触がある場所をこのように少し削り、咬み合せを少し調整するだけで治療できるケースもあります。


終わりに

いかがでしたか?
確かに楽な治療ではありません。
しかし、その不快感を何年も何年もガマンするのなら、がんばって治療を初めてみませんか?

笑顔と快適さ

笑顔と快適さ

何の不安もなく食べる、笑う、話すことができることの幸せ.....
この何気ない幸せな日常をあなたに取り戻していただきたいのです。
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