インフルエンザと歯痛
今年はインフルエンザが大流行です。
このインフルエンザのために歯が痛くなることがあるのです。毎年この季節には、一人か二人、原因不明の歯痛を訴えて来院されます。目で見ても、レントゲンを撮っても異常は見当たりません。でも患者様は、上顎の奥歯がズキズキが痛いと言われます。
そんな時、
- 「風邪をひいていませんか?」
- 「ひいています」
- 「鼻がひどくつまっていませんか?」
- 「はい。つまっています」
- 「風邪が治れば、痛みも止まります。心配ありません」
このような、やり取りになります。
なぜか?
鼻の奥には「上顎洞」と呼ばれる空洞があり、その内側は「シュナイダー膜」という粘膜で覆われています。風邪をひくとこの粘膜が炎症状態になり、その浸出液が鼻汁となって出てきます。上顎の奥歯はこの上顎洞に近く、人によっては、その根の先は上顎洞に突き出している場合もあるぐらいです。
ですから、この粘膜の炎症により、上顎の奥歯の根の周囲が炎症を起こし歯の痛みとなるのです。
このことを知らないと、痛みを止めようとして虫歯でもない歯の神経を取るといったことが起こるようです。
しかし、痛みの原因には、レントゲンではわからない異常(歯にひびがはいっている、歯髄壊疽、非常に局部的な歯周病の進行etc.)、神経痛などがあり、この診断には経験と正確な検査が必要です。
間違った診断をされると、神経を失うか?それとも治まらないひどい痛みをがまんし続けなければならないか?の悲惨なことになります。